2026/9/30

美容室の移転費用はいくら?総額の目安・内訳・費用を抑える方法を解説【2026年版】

    美容室の移転費用はいくら?総額の目安・内訳・費用を抑える方法を解説【2026年版】

    美容室を長く経営していると、「店舗が手狭になってきた」「もっと立地の良い場所で営業したい」「家賃を見直したい」などの理由から、移転を検討することがあります。

    しかし、そこで気になるのが**「美容室の移転には総額でいくらかかるの?」**という点ではないでしょうか。

    美容室の移転では、新しい店舗の物件取得費や内装工事費だけでなく、現在の店舗の原状回復費、設備の移設・購入費、引っ越し費用、さらに新旧店舗の二重家賃など、さまざまな費用が発生します。

    そのため、内装工事の見積もりだけを見て移転予算を決めてしまうと、想定以上に費用が膨らんでしまう可能性があります。

    大切なのは、現在の店舗を退去してから新しい美容室で営業をスタートするまでに必要な費用を「総額」で考えることです。

    この記事では、美容室の移転にかかる総額の考え方をはじめ、具体的な費用の内訳や店舗規模別のモデルケース、移転費用を抑える方法まで詳しく解説します。

    これから美容室の移転を検討しているオーナーの方は、資金計画を立てる際の参考にしてください。

     

    美容室の移転にかかる総額はいくら?

    美容室の移転を検討するとき、最も気になるのが「結局、総額でいくら必要なのか」という点です。

    しかし、美容室の移転費用は店舗の広さや移転先の物件、新しく導入する設備、現在の店舗の契約内容などによって大きく変わります。

    そのため、「美容室の移転には一律で○○万円かかる」と考えるのではなく、どのような費用が発生するのかを整理したうえで、自店の条件に合わせて総額を算出することが大切です。

     

    美容室の移転費用はいくら?総額の目安・内訳・費用を抑える方法を解説【2026年版】

     

    美容室の移転総額は店舗の広さ・物件によって大きく変わる

    美容室の移転費用を大きく左右するのが、店舗の広さと移転先の物件の状態です。

    たとえば、新しい店舗がスケルトン物件の場合、床や壁、天井だけでなく、給排水や電気、空調なども含めて一から店舗をつくる必要があります。

    美容室ではシャンプー台を設置するための給排水・給湯設備も必要になるため、一般的な店舗より設備工事の費用がかかるケースがあります。

    一方、美容室として使用されていた居抜き物件で、既存の設備や内装をそのまま活用できれば、工事内容を減らせる可能性があります。

    ただし、居抜き物件だからといって必ず安くなるわけではありません。

    設備が古く交換が必要だったり、希望するレイアウトと給排水の位置が合わなかったりすれば、追加工事が発生することもあります。

    そのため、物件の賃料だけでなく、「その物件を美容室として営業できる状態にするまでにいくらかかるのか」まで確認することが重要です。

     

    移転費用は「旧店舗+新店舗」で考える

    美容室の移転費用というと、新店舗の内装工事や設備購入に目が向きがちです。

    しかし、忘れてはいけないのが現在営業している美容室を退去するための費用です。

    賃貸借契約の内容によっては、退去時に原状回復工事が必要になります。

    さらに、新店舗の契約開始から旧店舗の明け渡しまで期間が重なれば、両方の家賃を支払う期間が発生する可能性もあります。

    美容室の移転総額は、大きく次のように考えておくと整理しやすいでしょう。

    美容室の移転総額 = 旧店舗の退去費用 + 新店舗の物件取得費用 + 内装・設備費用 + 引っ越し・その他の費用

    この「その他」には、移転告知や看板の変更、予約サイト・ホームページの情報変更などの費用も含まれます。

    また、移転に伴って数日から数週間営業を休む場合には、その期間の固定費や売上への影響も考えておく必要があります。

    つまり、美容室の移転では、新店舗をつくるためのお金だけを予算にするのではなく、旧店舗の退去から新店舗の営業開始までを一つのプロジェクトとして考えることがポイントです。

    最初の段階で必要な費用を洗い出しておけば、「工事が進んでから予算が足りない」といった事態も防ぎやすくなります。

     

    美容室の移転にかかる費用の内訳

    美容室の移転に必要な総額を把握するためには、どこでどのような費用が発生するのかを整理しておくことが大切です。

    新店舗の内装工事費だけではなく、旧店舗の退去から新店舗で営業を始めるまでに発生する費用を一つずつ確認していきましょう。

     

    美容室の移転費用はいくら?総額の目安・内訳・費用を抑える方法を解説【2026年版】

     

    ①旧店舗の原状回復・退去費用

    まず必要になるのが、現在営業している美容室を退去するための費用です。

    賃貸物件の場合、契約内容によっては退去時に原状回復工事を求められることがあります。

    美容室では、シャンプー台の給排水設備や間仕切り、造作した床・壁・天井、看板などを設置していることも多いため、原状回復の範囲によって費用が大きく変わります。

    また、解体した設備や内装材などの廃棄物処分費が発生するケースもあります。

    どこまで元の状態に戻す必要があるのかは物件ごとに異なるため、移転を決める前に賃貸借契約書を確認しておきましょう。

    貸主や管理会社にも早めに確認し、原状回復の範囲や退去までのスケジュールを把握しておくと安心です。

     

    ②新店舗の物件取得費用

    移転先となる物件を契約するときには、家賃以外にもまとまった初期費用が必要になる場合があります。

    代表的な費用としては、次のようなものがあります。

    ・敷金・保証金

    ・礼金

    ・仲介手数料

    ・保証会社の利用料

    ・前家賃

    ・火災保険料など

    特に事業用物件では、保証金などの条件が物件によって大きく異なります。

    「月々の家賃が予算内だから大丈夫」と判断するのではなく、契約時に必要となる初期費用まで含めて確認しましょう。

    また、美容室として営業できる物件かどうかも契約前に確認することが重要です。

     

    ③新店舗の内装工事費

    美容室の移転費用の中でも、大きな割合を占めやすいのが内装工事費です。

    床や壁、天井などの仕上げだけでなく、美容室ではさまざまな設備工事が必要になります。

    たとえば、

    ・給排水工事

    ・給湯設備工事

    ・電気工事

    ・空調工事

    ・照明工事

    ・シャンプースペースの工事

    ・受付やバックヤードの造作

    ・看板工事

    などです。

    特にシャンプー台の位置を変更する場合には、給排水設備の工事が必要になる可能性があります。

    スケルトン物件では一から工事する範囲が広くなりやすい一方、居抜き物件では既存の設備や内装を活用できれば工事費を抑えられる可能性があります。

    ただし、居抜き物件でも既存設備の劣化やレイアウト変更によって追加工事が必要になることがあるため、契約前に施工会社などへ相談し、工事内容を確認しておくとよいでしょう。

     

    ④美容設備・什器の購入・移設費

    内装工事とは別に考えておきたいのが、美容室で使用する設備や什器の費用です。

    代表的なものには、

    ・シャンプー台

    ・セット椅子

    ・ミラー

    ・ワゴン

    ・給湯設備

    ・受付カウンター

    ・待合用の椅子やテーブル

    ・収納家具

    などがあります。

    現在使用している設備を新店舗へ移設できれば、新しく購入する費用を抑えられる可能性があります。

    一方で、移転を機にセット面やシャンプー台を増やす場合には、その分の購入費や設置費が必要です。

    設備の購入費が内装工事の見積もりに含まれているとは限らないため、「見積もりに何が含まれているのか」まで確認することが重要です。

     

    ⑤引っ越し・運搬費

    美容室の移転では、一般的な引っ越しと同じように荷物を運搬する費用も発生します。

    美容材料やタオル、在庫、家具、家電などに加えて、既存の美容設備を移設する場合には専門的な搬出・搬入作業が必要になることもあります。

    大型設備の移設を予定している場合は、新店舗への搬入経路やエレベーターの有無なども事前に確認しておきましょう。

     

    ⑥広告・販促・移転告知費

    美容室を移転するときは、既存のお客様へ新しい店舗の場所を知らせる必要があります。

    たとえば、

    ・ホームページの修正

    ・予約サイトの情報変更

    ・Google ビジネス プロフィールなどの店舗情報更新

    ・LINEやメールによる移転案内

    ・ショップカードや名刺の作り直し

    ・新店舗の看板制作

    などが考えられます。

    移転後に「店舗の場所がわからない」というお客様を増やさないためにも、オープン直前だけではなく、余裕を持って告知を始めることが大切です。

    移転に合わせて集客施策を行う場合には、広告費についてもあらかじめ予算に入れておきましょう。

     

    ⑦二重家賃・休業期間中の費用

    意外と見落としやすいのが、新旧店舗の二重家賃や休業期間中のコストです。

    新店舗の工事を進めながら旧店舗で営業する場合、新店舗の賃料が発生しているにもかかわらず、まだ売上を生み出せない期間が発生することがあります。

    さらに、新店舗へ移る前後で営業を休止すれば、その期間は通常通りの売上を確保できない可能性があります。

    一方で、家賃や人件費、借入金の返済などの固定費は休業中も発生することがあります。

    そのため移転予算を考える際には、工事や引っ越しに直接支払う費用だけではなく、「営業できない期間にどの程度の資金が必要になるか」も含めて資金計画を立てることが重要です。

    美容室の移転では、このように複数の費用が同時に発生します。

    一つひとつの見積もりだけを見るのではなく、旧店舗の退去から新店舗の営業開始までに必要となる費用を一覧化しておくと、移転に必要な総額を把握しやすくなるでしょう。

     

    【規模別】美容室の移転総額をシミュレーション

    美容室の移転にかかる総額は、店舗の広さだけでなく、旧店舗の原状回復、新店舗が居抜きかスケルトンか、設備をどこまで引き継ぐかなどによって大きく変わります。

    そのため、坪数だけを見て「移転には○○万円必要」と判断するのは難しいでしょう。

    ここでは具体的なイメージを持ちやすいように、店舗規模別に美容室の移転費用を考えてみます。

    なお、以下はあくまで予算を考えるためのモデルケースです。

    実際の費用は物件や工事内容、地域、設備などによって異なるため、最終的には個別に見積もりを取って確認してください。

     

    10坪程度の小規模美容室

    10坪程度の美容室は、1人〜少人数で運営するプライベートサロンなどで選ばれることがある規模です。

    店舗自体がコンパクトなため、大型店舗と比較すると内装や設備にかかる費用を抑えやすい傾向があります。

    ただし、小規模だからといって必ず移転総額が安くなるとは限りません。

    シャンプー台を設置するための給排水・給湯設備や電気、空調など、美容室として営業するために必要な工事は店舗の広さにかかわらず発生する可能性があります。

    さらに、旧店舗の原状回復費、新店舗の敷金・保証金などの物件取得費、引っ越し費用も必要です。

    既存設備を活用できる居抜き物件へ移転する場合と、スケルトン物件から新しく美容室をつくる場合では、総額に大きな差が出る可能性があります。

     

    15〜20坪程度の美容室

    セット面やシャンプー台を複数設置し、数名のスタッフで営業する美容室では、15〜20坪程度の店舗を検討するケースもあります。

    店舗面積が広くなれば、床・壁・天井などの施工面積も増え、空調や照明などに必要な設備も増える可能性があります。

    また、移転をきっかけに、

    ・セット面を増やす

    ・シャンプー台を増設する

    ・受付や待合スペースを広くする

    ・スタッフルームをつくる

    ・個室を新設する

    といった変更を行えば、その分だけ工事費や設備費も増えていきます。

    現在の美容室で使用している設備や什器をどこまで新店舗へ持っていくのか、新しく購入するものは何かを整理したうえで予算を組むことが重要です。

     

    30坪程度の美容室

    30坪程度になると、複数のセット面やシャンプー台、待合スペース、バックヤードなどを備えた店舗をつくるケースも考えられます。

    施工する面積が広くなるため、内装工事だけでなく、照明・空調・電気・給排水などの設備工事も大きくなりやすいでしょう。

    また、大型店舗からの移転では、旧店舗の原状回復にも相応の費用が必要になる可能性があります。

    移転先でも多くの設備を導入する場合には、内装工事費と美容設備費を分けて予算化しておくことが大切です。

    「内装工事の見積もりは予算内だったものの、シャンプー台やセット椅子などを加えると大幅に予算を超えてしまった」とならないよう、移転全体で必要な金額を確認しましょう。

     

    居抜きとスケルトンでも移転総額は変わる

    同じ10坪、20坪の美容室でも、移転先の状態によって必要な費用は大きく異なります。

    美容室の居抜き物件で、シャンプー台の配管や空調、電気設備、内装などを活用できれば、新たに施工する範囲を減らせる可能性があります。

    一方、スケルトン物件では美容室として使用できる状態まで一から工事する範囲が広くなるため、初期費用が大きくなりやすい傾向があります。

    ただし、居抜き物件でも設備の老朽化や故障、希望するレイアウトとの不一致などによって改修費用が発生する場合があります。

    そのため物件を比較するときは、家賃や坪数だけではなく「この物件で美容室をオープンするまでの総額はいくらになるか」という視点で比較することが大切です。

    移転費用をシミュレーションする際は、

    旧店舗の退去費用+新店舗の物件取得費+内装工事費+美容設備費+引っ越し・その他の費用+予備費

    まで一覧にしてみましょう。

    工事中の追加費用なども想定し、資金に余裕を持たせておくことで、移転計画を進めやすくなります。

     

    美容室の移転費用はいくら?総額の目安・内訳・費用を抑える方法を解説【2026年版】

     

    美容室の移転費用が高くなりやすい5つのケース

    美容室の移転費用は、店舗の広さだけで決まるものではありません。

    同じ坪数の美容室でも、選ぶ物件や設備、工事内容によって総額には大きな差が出ます。

    特に「想定していたより移転費用が高くなった」という事態を避けるためには、どのようなケースで費用が増えやすいのかを事前に把握しておくことが大切です。

     

    美容室の移転費用はいくら?総額の目安・内訳・費用を抑える方法を解説【2026年版】

     

    ①スケルトン物件へ移転する

    スケルトン物件とは、内装や設備などが撤去され、建物の構造部分が見える状態になっている物件です。

    内装を一から自由に設計しやすいことはメリットですが、美容室として営業できる状態まで仕上げるためには、多くの工事が必要になります。

    たとえば、

    ・床・壁・天井の内装工事

    ・給排水工事

    ・給湯設備工事

    ・電気工事

    ・空調工事

    ・照明工事

    ・シャンプースペースの工事

    ・受付やバックヤードの造作

    などです。

    美容室の居抜き物件で既存設備を活用する場合と比較すると、施工範囲が広くなりやすいため、移転費用も高くなる可能性があります。

    物件取得費が安いという理由だけで決めず、内装工事まで含めた総額で比較しましょう。

     

    ②シャンプー台やセット面を増やす

    移転を機に店舗を広くし、シャンプー台やセット面を増やしたいと考える美容室オーナーもいるでしょう。

    しかし、設備を増やせば本体の購入費だけでなく、設置するための工事費も発生します。

    特にシャンプー台を増設する場合は、給排水や給湯設備の工事が必要になる可能性があります。

    また、セット面を増やす場合にも、椅子やミラー、照明、コンセントなどを含めて考える必要があります。

    「シャンプー台1台の価格」だけを見るのではなく、その設備を実際に使える状態にするまでにいくら必要なのかを確認しましょう。

     

    ③給排水・給湯設備を大きく変更する

    美容室の内装工事で重要になるのが、水回りです。

    シャンプー台の位置と既存の給排水設備が離れている場合や、希望するレイアウトに合わせて配管を変更する場合には、工事範囲が広がる可能性があります。

    また、店舗の規模やシャンプー台の数によっては、必要な給湯能力についても確認が必要です。

    見た目のレイアウトだけで物件を決めてしまうと、契約後に「希望する場所へシャンプー台を設置するには追加工事が必要だった」とわかることも考えられます。

    物件契約前に、美容室の施工経験がある業者などへ相談し、希望するレイアウトが実現できるか確認しておくと安心です。

     

    ④電気容量や空調設備の追加工事が必要になる

    美容室では、ドライヤーや美容機器、照明、空調など複数の電気設備を使用します。

    そのため、移転先の電気容量が店舗運営に十分かどうかも重要なチェックポイントです。

    設備を増やすことで電気容量が不足する場合には、追加工事が必要になることがあります。

    空調についても同様です。

    既存のエアコンをそのまま利用できるのか、新しく設置・交換する必要があるのかによって費用は変わります。

    特に居抜き物件の場合は、「設備が残っている=そのまま問題なく使える」とは限りません。

    設備の状態や容量、メンテナンス状況なども確認したうえで、必要な工事を見積もりに反映させましょう。

     

    ⑤旧店舗と新店舗の契約期間が長く重なる

    美容室の移転では、店舗工事以外の費用にも注意が必要です。

    新店舗を契約してから内装工事を行い、その間も旧店舗で営業を続ける場合、新旧両方の家賃を支払う期間が発生することがあります。

    たとえば、新店舗の工事が予定より長引けば、その分だけ二重家賃の期間も延びる可能性があります。

    反対に、二重家賃を避けようとして旧店舗を早く退去すると、新店舗が完成するまで営業できない期間が生まれることもあります。

    営業できない期間が長くなれば、売上への影響も考えなければなりません。

    そのため、移転スケジュールを組む際には、「二重家賃をどこまで許容するのか」「休業期間を何日程度にするのか」まで含めて考えることが重要です。

    美容室の移転では、内装工事の坪単価だけを見ても総額は判断できません。

    物件を決める前に、設備・工事・旧店舗の退去・新旧店舗の契約期間まで確認し、追加費用が発生しそうなポイントを洗い出しておきましょう。

     

    美容室の移転費用を抑える6つの方法

    美容室の移転には、旧店舗の退去費用から新店舗の物件取得費、内装工事費、美容設備費までさまざまな費用がかかります。

    すべてを削減しようとすると店舗の使いやすさや仕上がりに影響する可能性がありますが、ポイントを押さえて計画することで、不要な出費を抑えられる場合があります。

    ここでは、美容室の移転費用を抑えるために検討したい6つの方法を紹介します。

     

    ①美容室の居抜き物件を探す

    移転費用を抑える方法の一つが、美容室として使用されていた居抜き物件を選ぶことです。

    居抜き物件には、前の美容室が使用していた内装や設備などが残されている場合があります。

    シャンプースペースの給排水や電気、空調などを活用できれば、一から工事するスケルトン物件と比べて工事範囲を減らせる可能性があります。

    ただし、「居抜き物件=必ず移転費用が安くなる」とは限りません。

    既存設備が古く交換が必要だったり、希望するレイアウトに変更するため大規模な工事が必要になったりすれば、結果的に費用が膨らむこともあります。

    物件を契約する前に、設備の状態や給排水の位置などを確認し、実際にどの程度の工事が必要になるのか見積もっておきましょう。

     

    ②使える設備・什器は移転先でも利用する

    移転を機に店舗の雰囲気を一新したくなりますが、すべての設備や什器を新品にすると費用も大きくなります。

    現在使用している、

    ・セット椅子

    ・ミラー

    ・ワゴン

    ・収納家具

    ・美容機器

    ・待合スペースの家具

    などの中に、移転後も使用できるものがないか確認してみましょう。

    シャンプー台などについても、状態や新店舗への設置条件によっては移設できる場合があります。

    ただし、設備によっては取り外し・運搬・再設置にも費用がかかります。

    新品を購入する場合と移設する場合の費用を比較し、どちらが適しているか判断することが大切です。

     

    ③複数の内装業者から見積もりを取る

    内装工事を依頼するときは、複数の施工会社から見積もりを取って比較する方法があります。

    ただし、単純に見積もり総額だけを比べるのではなく、同じ条件・同じ工事範囲で比較することが重要です。

    一方の見積もりには設備工事が含まれているのに、もう一方には含まれていなければ、金額だけでは正しく比較できません。

    見積書を確認するときは、

    ・どこまでが工事範囲なのか

    ・設備本体の費用は含まれているか

    ・解体や廃棄費用は含まれているか

    ・追加工事が発生する可能性はあるか

    なども確認しましょう。

    美容室は給排水や給湯など特有の設備が必要になるため、美容室の施工実績がある業者へ相談することも選択肢の一つです。

     

    ④原状回復の範囲を契約書で確認する

    新店舗にかかる費用だけでなく、旧店舗の退去費用を抑えられないか確認することも大切です。

    まず確認したいのが、現在の店舗の賃貸借契約書です。

    原状回復について、どの範囲まで工事する必要があるのかを確認しましょう。

    自己判断で工事を進めるのではなく、貸主や管理会社と原状回復の内容について事前に確認しておくことが重要です。

    また、物件によっては次の入居者へ内装や設備を引き継げる可能性もあります。

    ただし、造作や設備を残した状態で退去できるかどうかは契約や貸主との調整によるため、必ず事前に確認しましょう。

     

    ⑤新旧店舗の契約期間を調整する

    美容室の移転では、新旧店舗の契約期間が長く重なるほど二重家賃の負担が大きくなります。

    そのため、現在の店舗の解約日、新店舗の契約開始日、工事期間、オープン予定日をできるだけ早い段階で整理しておきましょう。

    ただし、二重家賃をゼロにすることだけを優先すると、工事の遅れによって営業できない期間が生まれる可能性があります。

    休業期間が長くなれば、その分だけ売上への影響も大きくなります。

    二重家賃と休業による売上への影響を両方比較しながら、無理のないスケジュールを組むことがポイントです。

     

    ⑥補助金・融資などの資金調達も検討する

    移転の内容によっては、国や自治体などが実施する補助制度や、金融機関などの融資を利用できる可能性があります。

    ただし、補助金や助成制度は、対象となる事業者や経費、申請期間などが細かく定められています。

    「美容室を移転すれば必ず利用できる」というものではありません。

    また、補助制度によっては採択前や交付決定前に契約・発注・支払いを行った経費が対象外となる場合もあるため、注意が必要です。

    利用を検討する場合は、物件契約や工事を進める前に、国や自治体などが公開している最新情報を確認しましょう。

    融資についても、必要になってから慌てて探すのではなく、移転総額と自己資金を把握したうえで早めに資金計画を立てることが大切です。

    美容室の移転費用を抑えるためには、単純に安い物件や安い工事会社を選ぶのではなく、旧店舗の退去から新店舗の営業開始までに必要な総額を比較することがポイントです。

    初期費用だけでなく、移転後の家賃や店舗運営にかかる固定費まで考えながら、自店に合った移転計画を立てましょう。

     

    美容室を移転するときの流れ

    美容室の移転は、新しい物件を見つけて内装工事をすれば完了するわけではありません。

    旧店舗の解約、新店舗の契約、内装工事、各種手続き、お客様への告知など、複数の準備を並行して進める必要があります。

    直前になって慌てないためにも、移転を決めたら全体のスケジュールを整理しておきましょう。

     

    ①移転の目的・予算を決める

    まずは、なぜ美容室を移転するのかを明確にします。

    たとえば、

    ・店舗が手狭になった

    ・セット面を増やしたい

    ・より集客しやすいエリアへ移りたい

    ・家賃などの固定費を見直したい

    ・個室をつくりたい

    ・スタッフの増員を予定している

    など、移転する目的によって適した物件は変わります。

    同時に、移転に使える予算も決めておきましょう。

    新店舗の内装費だけではなく、旧店舗の退去費用や物件取得費、設備費、二重家賃などを含めた移転総額で予算を考えることが重要です。

     

    ②旧店舗の賃貸借契約を確認する

    移転を決めたら、現在の店舗の賃貸借契約書を確認します。

    特に確認したいのが、

    ・解約予告期間

    ・原状回復の範囲

    ・退去時の条件

    ・保証金や敷金の取り扱い

    などです。

    解約予告期間によっては、移転を決めてすぐに退去できるとは限りません。

    新店舗の契約時期とのバランスによっては二重家賃が発生するため、早めに確認しておきましょう。

     

    ③移転先の物件を探す

    次に、移転の目的や予算に合った物件を探します。

    家賃や立地、広さだけではなく、美容室として使用するうえで必要な設備についても確認しましょう。

    特に、

    ・美容室として利用できるか

    ・給排水設備は確保できるか

    ・必要な給湯設備を設置できるか

    ・電気容量に問題はないか

    ・空調設備は十分か

    ・希望する数のセット面やシャンプー台を設置できるか

    などは重要なポイントです。

    条件の良い物件でも、美容室として使用するために大規模な工事が必要になれば、移転総額が大きくなる可能性があります。

    契約前に施工会社などへ相談し、必要な工事を確認しておくと安心です。

     

    ④内装・設備の見積もりを取る

    候補となる物件が決まったら、内装工事や美容設備にかかる費用を確認します。

    可能であれば、物件を契約する前に概算見積もりを取っておくと、移転総額を判断しやすくなります。

    見積もりでは総額だけでなく、

    ・内装工事

    ・給排水工事

    ・電気工事

    ・空調工事

    ・設備購入費

    ・設備設置費

    ・看板工事

    など、どこまで含まれているのか確認しましょう。

    追加工事が発生した場合も想定し、予算にはある程度余裕を持たせておくことが大切です。

     

    ⑤新店舗の工事を進める

    物件契約や設計が完了したら、新店舗の工事を進めます。

    工事期間中は施工会社にすべて任せきりにするのではなく、必要に応じて進捗を確認しましょう。

    また、工事が予定より遅れる可能性も考えておく必要があります。

    新店舗のオープン日を先に確定しすぎると、工事の遅延によって予約変更などが必要になることもあります。

    旧店舗での最終営業日、新店舗の完成予定日、引っ越し日、新店舗のオープン日を関連付けてスケジュールを組みましょう。

     

    ⑥移転に必要な届出・手続きを行う

    美容室を移転するときは、行政上の手続きについても確認が必要です。

    美容所は所在地を管轄する保健所への届出や確認が関係するため、単純に店舗住所だけを変更すればよいとは限りません。

    新しい店舗で営業を始める前に、移転先を管轄する保健所へ必要な手続きや提出書類、設備基準などを確認しておきましょう。

    また、移転に伴って税務や社会保険、消防関係などの手続きが必要になる場合もあります。

    必要な手続きは事業形態や自治体、店舗の状況などによって異なるため、各窓口の最新情報を確認しながら進めることが大切です。

     

    ⑦お客様へ移転を告知する

    既存のお客様への移転告知も早めに準備しましょう。

    ホームページやLINE、SNS、予約サイト、店内掲示など複数の方法で案内すると、新店舗の情報を伝えやすくなります。

    告知には、

    ・現在の店舗での最終営業日

    ・新店舗のオープン日

    ・新しい住所

    ・アクセス方法

    ・電話番号などの変更有無

    などをわかりやすく記載します。

    移転直前に一度だけ告知するのではなく、数回に分けて案内することで、お客様の見落としを防ぎやすくなります。

     

    ⑧新店舗オープン・旧店舗を明け渡す

    新店舗の工事や必要な手続きを終えたら、設備の動作や予約システムなどを確認し、新店舗での営業をスタートします。

    同時に、旧店舗では契約内容に沿って原状回復などを行い、貸主へ明け渡します。

    このとき重要なのが、「新店舗のオープン」と「旧店舗の退去」を別々に考えないことです。

    スケジュールがずれると、二重家賃が長引いたり、逆に営業できない期間が生じたりする可能性があります。

    移転を決めた段階から、新店舗探し、工事、引っ越し、旧店舗の退去までを一つのスケジュールにまとめて管理しておくと、移転全体の費用も把握しやすくなるでしょう。

     

    移転を機に美容室の「スペース」を見直すのもおすすめ

    美容室を移転するときは、立地や家賃だけでなく、**「新しい店舗にどのくらいの広さが必要なのか」**を改めて考える良いタイミングでもあります。

    将来的なスタッフの増員を考えて広めの店舗へ移転するケースもありますが、店舗が広くなるほど物件取得費や内装工事費、毎月の家賃などが増える可能性があります。

    移転後の経営まで考えながら、自店に適した店舗の広さやセット面数を検討しましょう。

     

    美容室の移転費用はいくら?総額の目安・内訳・費用を抑える方法を解説【2026年版】

     

    移転先は「広ければいい」とは限らない

    移転をきっかけに「今より広い美容室にしたい」と考えるオーナーもいるでしょう。

    しかし、セット面を増やしても実際に使用するスタッフがいなければ、空いているスペースが生まれてしまいます。

    たとえば6席設置できる美容室へ移転しても、普段使用しているのが3〜4席程度であれば、残りのセット面を十分に活用できない可能性があります。

    一方で、広い店舗になれば、その分だけ内装工事や空調、照明などにかかる費用が増えることも考えられます。

    毎月の家賃や光熱費なども含め、移転後の固定費が増える可能性にも注意が必要です。

    そのため、新店舗の広さを決める際には、

    ・現在のスタッフ数

    ・今後の採用計画

    ・1日に必要なセット面数

    ・シャンプー台の稼働状況

    ・個室や待合スペースの必要性

    などを整理しておきましょう。

    「何坪の美容室にするか」だけでなく、「そのスペースからどのように売上を生み出すか」という視点を持つことも大切です。

     

    空いているセット面を貸し出す方法もある

    美容室の移転費用はいくら?総額の目安・内訳・費用を抑える方法を解説【2026年版】

    移転後にセット面や個室などの空きスペースが生まれる場合は、使用していない時間帯に美容従事者へ貸し出すという方法もあります。

    自社スタッフだけですべてのスペースを使用するのではなく、フリーランスの美容師などに利用してもらうことで、空いているスペースを活用する選択肢が生まれます。

    特に、将来のスタッフ増員を見越して少し広めの美容室へ移転する場合などは、採用が進むまでの空きスペースをどう活用するか考えておくのもよいでしょう。

    BEAUTY SHAREでは、美容室の空いているセット面や個室などを貸したいサロンオーナーと、施術場所を探している美容従事者をつなぐことができます。

    美容室の移転を検討するときは、「移転時にいくらかかるのか」だけでなく、移転後の店舗をどのように活用していくのかまで考えておくことが重要です。

    新店舗に空きスペースが生まれそうな場合は、スペースの貸し出しも選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。

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    美容室の移転費用に関するよくある質問

    最後に、美容室の移転費用や総額について、オーナーの方が疑問を持ちやすいポイントをまとめて紹介します。

    美容室の移転費用はいくら?総額の目安・内訳・費用を抑える方法を解説【2026年版】

     

    美容室の移転には総額でいくら必要?

    美容室の移転に必要な総額は、店舗の広さや移転先の物件、内装工事の内容、導入する美容設備などによって大きく異なります。

    また、新店舗にかかる費用だけでなく、旧店舗の原状回復費や引っ越し費用、二重家賃なども考える必要があります。

    そのため、単純な坪単価だけで予算を決めるのではなく、旧店舗の退去から新店舗の営業開始までに必要な費用をすべて洗い出して総額を算出することが大切です。

    美容室の移転で一番お金がかかるのは?

    どの費用が最も高くなるかは、移転条件によって異なります。

    たとえばスケルトン物件へ移転する場合は、内装や給排水、電気、空調などを一から整備する必要があり、新店舗の工事費が大きくなる可能性があります。

    一方、旧店舗の原状回復範囲が広ければ、退去時にもまとまった費用が必要です。

    物件取得費や美容設備費も含め、項目ごとに見積もりを取りましょう。

     

    居抜き物件なら美容室の移転費用は安くなる?

    既存の内装や設備を利用できる居抜き物件であれば、移転費用を抑えられる可能性があります。

    特に、給排水設備やシャンプースペースなどを活用できれば、一から施工する範囲を減らせる場合があります。

    ただし、設備が老朽化していたり、希望するレイアウトに変更するために大規模な工事が必要だったりすると、追加費用が発生します。

    居抜き物件を検討するときも、物件取得費だけで判断せず、営業開始までに必要な工事を含めた総額で比較しましょう。

     

    美容室の移転にはどのくらいの期間がかかる?

    美容室の移転に必要な期間は、物件探しや内装設計、工事内容、行政上の手続きなどによって異なります。

    また、現在の店舗の賃貸借契約で定められている解約予告期間もスケジュールに影響します。

    「○か月あれば必ず移転できる」とは限らないため、移転を検討し始めた段階で旧店舗の契約内容を確認し、余裕を持って準備を始めることが大切です。

     

    美容室を移転するときは保健所への届出が必要?

    美容所は、所在地を管轄する自治体・保健所への手続きや、施設が基準に適合していることの確認が関係します。

    移転の場合も単純な住所変更だけで済むとは限らないため、新店舗の工事や営業開始前に、移転先を管轄する保健所へ必要な手続きを確認しておきましょう。

    必要な書類や手続き、施設基準などは自治体の案内も確認してください。

     

    旧店舗の原状回復費用はどのくらい?

    原状回復費用も、店舗の広さや施工内容、物件の状態、賃貸借契約で定められた原状回復の範囲などによって異なります。

    特に美容室では、給排水設備や間仕切り、床・壁、看板などを変更していることもあるため、工事範囲が広くなる場合があります。

    移転予算を立てる際は、新店舗の費用だけを先に計算するのではなく、旧店舗の賃貸借契約書を確認し、貸主や管理会社と原状回復の範囲について早めに話し合っておくことが重要です。

    原状回復費まで含めて考えることで、美容室の移転に必要な本当の総額をより把握しやすくなります。

     

    まとめ|美容室の移転は「総額」で予算を考えよう

    美容室の移転には、新店舗の内装工事費だけでなく、さまざまな費用が発生します。

    移転を検討するときは、主に次の費用を確認しておきましょう。

    ・旧店舗の退去・原状回復費用

    ・新店舗の物件取得費用

    ・内装工事費

    ・シャンプー台などの美容設備費

    ・引っ越し・運搬費

    ・広告・移転告知費

    ・新旧店舗の二重家賃や休業期間中の費用

    特に注意したいのが、「新店舗の内装工事にいくらかかるか」だけで移転予算を決めないことです。

    美容室の移転では、現在の店舗を退去してから新しい店舗で営業をスタートするまでに必要なお金を洗い出し、総額で資金計画を立てることが重要です。

    また、移転先の物件を選ぶ際は、家賃や広さだけでなく、既存設備を活用できるか、希望するシャンプー台やセット面を設置できるかなども確認しましょう。

    居抜き物件の活用や既存設備の移設、新旧店舗の契約期間の調整などによって、移転費用を抑えられる可能性もあります。

    さらに、移転をきっかけに店舗を広くする場合は、空いているセット面や個室を有効活用する方法も考えてみましょう。

    BEAUTY SHAREでは、美容室の空きスペースを貸したいサロンオーナーと、施術場所を探している美容従事者をつなぐことができます。

    移転時の費用だけでなく、移転後の店舗運営やスペースの収益性まで考えながら、自店に合った移転計画を立てていきましょう。

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